ゲゲゲの鬼太郎(第4期)1996年  感想 その10 51話~55話

UnsplashHotaria Nが撮影した写真

目次

・※注意点

本記事にはネタバレが含まれています。

ネタバレを嫌う方、まだ未視聴の方などブラウザバックをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

#51話 雪コンコン! 笠地蔵

 

オススメ度 ★★★

 

みんな大好き、アニメ日本昔話の感動回に負けない魅力をもつ素晴らしい回。お話も作画もかなり上質な出来映え、文句なくオススメ。

 

鬼太郎と目玉のおやじの心温まる日常の会話。

湯冷めしないように、ふきんを掛けて丁寧にふいてやる鬼太郎の姿に、強い親子愛を感じる。いいシーンだと思う。

雪をかぶる鬼太郎ハウスがあらわれるのだが、このシーンもまた非常に美しい。ずっしりと重そうな雪に埋もれる山は澄んだ空気を湛えている。

UnsplashVicky Ngが撮影した写真

そんな静かな山の中で鬼太郎たちは親子で楽しく慎ましく年末を迎えている。

音を吸う柔らかい雪がすべてが包み、優しい調和を描く印象的な画。

とにかく雪の描写がたまらない。鬼太郎がカラスから手紙を受け取ったときに、ひさし?の部分にこびりつく雪の感じも素晴らしい。

雪は粉雪のようなソフトな雪。だが鬼太郎ハウスから産出する熱で少し溶け、そして、こびりつく。

そういうのが見て取れるのも良い。

 

高度経済成長後の日本だと思う。
令和からすれば昔でもさすがに手製の傘を売り歩くというのはみないとおもった。

現代的な町の中を、江戸時代から抜け出てきたような傘を売り歩くじいさんというのは印象的ではある。

しかし時代錯誤感は否めず……傘なんぞ売れるわけがない……全く売れずに帰るじいさんの後ろ姿がたいへんに悲しい。

こういうのには弱い……しかもその後ろ姿に重ねるように良BGMがかかる、もちろん目頭は熱くなる。

優しいお話で有名な、笠地蔵の鬼太郎バージョンと言ったところ。

UnsplashDenise Metzが撮影した写真

山奥で資本主義から半分ほど切り離され、現金収入はないが、食べ物はそれなりにあって、笠を売ったりして慎ましく生活する老人夫婦。

笠が売れず帰ってきた爺さんを全く責めることなく、暖かく出迎える婆さん。性格が良すぎて、あまりにまぶしい……。お地蔵さんの性格ではないか。

 

とにかく雪深い山の景色が素晴らしい。セル画だろうか?すばらしい描写だとおもった。こんなに素晴らしい雪の描写はなかなか見られないと個人的には思う

 

帰ってきた爺さんは道中、弁当を子狐たちに分けたので空腹で帰ってくる。そして大したものも食わず、眠りにつく。

なんという善性だろう。

そのように生きていたら、きっと良いことがある。結果的に、鬼太郎たちからたっぷりと恩返しをもらう。
善性ゆえの当然の因果だと納得できる。

 

#52話 コマ妖怪・あまめはぎ!

 

オススメ度 ★☆☆

 

あまめはぎのビジュアルが、イボが多くそれが非常に気持ち悪く見える。集合恐怖症の人間には、ややしんどいヴィジュアルかもしれない。

 

妖怪結界という技。出した直後に、鬼太郎にぶつかっていった一撃がなんだかおかしく見えた。

 

あまめはぎの頭の上で、目玉のおやじを回すというかなり不可解な技を繰り出す。

Image by R. 井上 from Pixabay

 

回転の描写に所々、違和感というか変な面白さがあった回。

 

#53話 霊園行・幽霊電車!

 

オススメ度 ★★★

 

 

ねずみ男と鬼太郎の冒頭の会話、「ろくなもん食ってないな」「冬は食べ物が少ないからしょうがないんだよ」

UnsplashNathan Dumlaoが撮影した写真

ここらへんでけっこう鬼太郎の生活も苦しいのかな、と思った。
考えてみれば鬼太郎は現金収入を得ているわけではない。
食料の大半は自給自足的に森や湖で手に入れて生活をしているのだろうと推測される。

あれほど人間に寄り添い、命がけで戦っても、こうした質素な生活に甘んじているのだとすると、なんだかなぁと思うところはある。

でもそう思うのは、私が人間で、欲深い人間だからなのだろうか?

そうして考えていると、どうしてねずみ男があれほど、カネ、カネ、カネとがめつかったのか、ほんの少しだがわかる気がした。

ねずみ男は半妖、半分は人間。そこに損得勘定や欲深さというものがあるのだろう。そしてそこが人間くさいくみえ、ねずみ男の魅力の一つになっているのかもしれない。

 

鬼太郎の無表情が怖い。鬼太郎には珍しい生気に乏しい表情、これは間違いなくホラー回である。

僕たちのやり方でお返しさせてもらうさ、と言った鬼太郎の顔は通常回では、なかなか見られない悪巧み顔(笑

 

駅のホームで待つ死人たちの顔も怖すぎる。ゾンビ映画に出られそうなほど。

 

列車の真実に気がついたオッサンたちの顔の切迫感あふれる感じも良かった。

 

 

列車内が月明かりに照らし出されると、それまでゾンビのようだった乗客はついに骸骨の姿に変貌し正体を現す。恐慌に陥ったオッサンたちはついに列車から飛び降りる。

そして鬼太郎と同じサイズのたんこぶを作る。

ふふふと笑いながらオッサンたちを見送る鬼太郎。
ダークな鬼太郎を見られる回。
あまりにもダークで、果たしてそこまでするほどのことか?ともおもった。

そこで、ふと『鬼太郎がろくなもんをを食ってない』という話を思い出す。

考えようによっては、『ろくなもんを食っていなかった』から……、つまり虫の居所が悪かったから今回のようなダークな方法をとったのではないだろうか(笑

ろくなもんを食っておらず、フラストレーションがたまっていた状態の鬼太郎。

さらにシール販売で儲けたお金でねずみ男におごってもらい腹を満たすが、直後に妖怪の全否定と、そのシール販売の否定。

それにぷちんと、きてしまったという見方もありなんじゃないかと思った。

案外人間くさい鬼太郎かもしれない。

 

#54話 妖怪邪魅とガマ仙人!

 

オススメ度 ★★★

 

なんとなくドラゴンボール風味が強い気がするが、話の筋もくっきりしていて、面白い印象。

オススメ回。

冒頭、声といい、雰囲気といい、超人気作のドラゴンボール亀仙人を思い出す。

 

廃村風の場所、蜘蛛の巣に蛾が絡め取られている画が瞬間的に映る、これは鬼太郎が罠にかかったという暗喩だろうか?

UnsplashMaxim Bergが撮影した写真

 

それにしても、邪魅という妖怪の姿は異様。
全身毛だらけの猿人風の姿。特にその異形を際立たせるのは口の中から髪の毛の束のようなものが飛び出していること。
これはなんだろう?
ちょうど、ツインテールが口腔内から生えている感じ。口腔ツインテール?気持ちが悪い。

自分で書いていても、意味不明で、やはり異様としか言い様がないと感じる。
しかし、それこそ妖怪デザインとしてみれば成功しているとは思う。

どこかの悪魔だか妖怪に、あえて内臓を晒すことで自分の強さを誇示する者がいるときいたことがある。
そういう自己表現の追求が暴走した、その果てに異形に行き着くのかなとも思った。

 

妖怪邪魅が復活した鬼太郎にがばりと抱きつき毒気を吸い込ませる。

あまりに大胆に抱きついてディープキス。いわゆる、ネット用語で言うところの『だいしゅきホールド』というやつである……正直笑ってしまった。

 

 

そして裏で糸を引いていたのはぬらりひょん、彼の登場回である。

たぶん、妖怪裁判以来か……というか、ぬらりひょんはどうやって時代送りの刑を突破したのだろうか?

私の見落としがなければ特に説明はなかったと思うのだが……。

 

ガマガエルになってしまった目玉のおやじを、なでる猫娘はちょっとかわいいと思った。

 

ガマ仙人というキャラがすごく良いと思った。
彼が住む木を改造したような家もおしゃれ、なんとなく、ムーミン的な風味も感じる(笑

また光るキノコを仙術?のキーアイテムにして戦うのも良い。キーアイテムがキノコとは……。

さらに仙術そのものだけでなく、その仙術を行使するための戦術も冴えている。

障子の穴から覗いていた(敵に支配されている)鬼太郎に見せつける形で、ガマ仙人は杖でドアの絵を描き、別の空間に逃げ込む。
鬼太郎は亜空間へ逃げたガマ仙人を追い、同じように杖でドアの絵を描く。

亜空間へ侵入してガマ仙人を追う鬼太郎。しかしその亜空間は、ガマ仙人が最強の力を発揮できる万能空間であった。
つまり誘い込まれたのは(敵に支配されている)鬼太郎だった。

なすすべなく、(敵に支配されている)鬼太郎はガマ仙人に封じられる。

すばらしいガマ仙人の戦術であると思った。さすが、亀仙人、悟空の師匠は伊達では無い……別アニメだが。

 

さらに、鬼太郎(年寄り)に変化して万能空間から飛び出し、邪魅をだまし脱出。

光るキノコと封印の石を使い、難敵の邪魅を、見事封印する。
戦闘用BGMが流れたが、そのBGM中で大活躍するのはガマ仙人だった。

今回の主役がガマ仙人だったということだろう、それはかなり珍しいことではないかな、と思った。

このあたりの封印がなんとなくだが、ドラゴンボールの魔封波的なものを感じたのは、声優さんが同じだから感じたものだろうか?

邪魅というかなり邪悪な妖怪と、さらに一枚上手のガマ仙人の活躍がたのしい回である。

 

 

 

#55話 座敷童子と妖怪後神!

 

オススメ度 ★★☆

 

後髪のヴィジュアルが怖い。

UnsplashAdrienが撮影した写真

和服を着たスタイルの良い女だが、顔が完全に真っ黒。
肌を黒く塗っているわけでなく、顔面部だけ、ぽっかりと穴があいたように黒くなっておいる。
ただ目だけくっきり浮かび上がる。

 

結界内で能力を最大化する系の敵。

結界内に鬼太郎を引き込み、鬼太郎は窮地に追い詰められるが、そこを救ったのはつるべ火。

つるべ火は火の攻撃や光の攻撃のときによく出てくる妖怪。準レギュラーといっても良いかもと個人的に思える。

 

また神頼みばかりで大切なものもが何なのかわからず、自分の努力も放棄して、自堕落に生きる父親。
たしかに、世の中挫折すると再起は難しい、さらに過去のプライドもあれば、再挑戦はより苦しいものになるのは事実。

だが、結局、一からやっていかなければならないという厳然な事実は存在する。父親もきっと悩んでいるのだろうとは思う。

しかし、そんな隙だらけの心に邪悪な妖怪、後髪が滑り込だ。

つけ込まれる人間の精神的不安定さと欲深さ。

しかし、この父、この一家は絶望の淵に立たされていても、活きる目はある。無垢で温良な娘さんや善良な座敷童などがいる。

捨てる神あれば拾う神あり、ということわざがあるが、今回は、襲う後髪あれば救う座敷童あり、という構図である。

後髪という邪悪度100の妖怪と、人間を幸せにすることを自身の存在意義とする座敷童のコントラストが際立つ。

そういうところを楽しむ回だと個人的には感じた。

 

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