ゲゲゲの鬼太郎(第4期)1996年  感想 その14 81話~84話

UnsplashSasha Freemindが撮影した写真

目次

・※注意点

本記事にはネタバレが含まれています。

ネタバレを嫌う方、まだ未視聴の方などブラウザバックをお願いします。

 

 

 

 

#81 子育て妖怪! うぶめ

 

オススメ度  ★★☆

 

うぶめのヴィジュアルが良かった。

異常なほど巨大な目玉をもつ鳥姿の妖怪。

目玉の部分がぎょろりと大きいその顔はどこか西洋のペストマスクを思い起こさせる。

UnsplashDiana Lisunovaが撮影した写真

ちなみに印象的な鳥型の妖怪と言えば、前に出たインモライ。それを思い出す。

 

小学生の男の子に、幼児のおもりを任せるのはなかなか酷なように見えた。
しかし、そうはいってもほかにどうしようもない状況ではあった。

オヤジが稼いでいることで子供は3食はまともに食えている。……それ自体は素晴らしいことだが、幼児は誰かがみなけばならない。

結局、あの家庭では遊び盛りの小学生が犠牲にならざるを得ない……しかし、それは酷なことのように思う。

やはり、お金を払って、預けるしかないだろう。

 

そしてそういう抜き差しならない状況にこそ、妖怪は滑り込む。
何事も慎重に、かつ用心しなければ、と思う。

そもそもの話でいえば、長男以外の子どもを生まなければ根本的解決になるだろう。
しかしそれはそれで、なんだか世知辛い解決方法のようにも見える。

いろいろと難しい問題をはらんでいるように感じた。

 

 

うぶめという妖怪に関していろいろ考えたことがある。
それは、途中、うぶめに子をさらわれた母の一人が

「赤ちゃんなんて手がかかって大変なだけなのに……(中略)あ、もちろんかわいいわよ、我が子ですもの」

といった発言である。

その発言を聞きながら、大昔、今ほど豊かでなかった時代は、姥捨て、赤子殺し、娘の身売りといったことが、そこかしこであったという話を思い出す。

もちろんそういう話は現代ではあまり聞かない。

どうして現代でマシになったのか?

個人的には

『 石油エネルギー+ハーバーボッシュ法 』

のおかげと考えている。(逆に言うと、石油などの地下資源が枯渇した場合、現代人は江戸時代以前の生活に逆戻りかもしれないと考えたりする……)

私の生きる現代は石油エネルギーを存分につかい、便利で安全な生活ができるようになり、さらにハーバーボッシュ法によって、窒素肥料を作り出すことが出来た。

食糧事情は桁外れに改善した。

 

個人的に、こういった背景があり人類は『安全と利便、飢えの解決』を手に入れたと思う。

ただ石油エネルギーもハーバーボッシュ法もなかった昔の時代は、容易に姥捨てや赤子殺し、身売りなどが発生していたのではないかと思う。

そういう赤子殺しを内包する厳しい昔の世界観の中で、生まれたのが妖怪『うぶめ』……そう考えることが出来ないだろうか?

 

赤ん坊は

『鳥の姿をしたうぶめという悪い妖怪にさらわれてしまったのだ』

と考えることによって、赤子を捨てたり、殺めたりしたことへの罪の意識を紛らわしていた可能性もあるのではないか、と個人的にだが、考えてしまう。

そういえば、赤子が母体に宿るとき

「コウノトリが母親のお腹まで赤子を運んできた」

のだ説明したりする……そう、ここにも赤子が宿るときにも鳥が関与する。

赤子が宿るときのコウノトリ、赤子が失われるときのうぶめ。

 

こう考えると、赤子周りで想像を巡らすときに、何でかは知らないが、鳥類を絡めたイメージが散見されるのは不思議なことだと思う。

 

どうしてだろう?

 

 

古池や蛙飛びこむ水の音……静かな森の中で、事件を解決した鬼太郎は朝日を見つめ、考え込んでいる。

何を考えているのか……たぶん、母親のことだろうか?

Image by Tim Hill from Pixabay

こうして鬼太郎の母親の話が最後にチラリと出てきてお話がまとまるのだが、これは114話の最終回の布石……といえば、言い過ぎかもしれないが、母親が絡むという点でいえば、この回を見てることで、より114話の最終回につながるものがあるかもしれない……多少だが(笑

そういう意味で、わりと必見の回かもしれない?

 

#82 古代妖怪・大首!

 

オススメ度 ★★☆

 

冒頭で古代の女戦士らしき者が登場。どことなく縄文人的な雰囲気を感じる。

UnsplashYan Otsが撮影した写真

彼女は原始的なナイフを振るい追っ手に挑む、だが力及ばず……という悲しいシーン。

こういうシーン自体、戦でよくある悲しいシーン、それを冒頭に持ってくる。

昔、という言葉で想起する時代よりさらに前、古代と言われる時代。
そのときには当然警察なんてものはないし、統治機構も脆弱だった。

ビデオもカメラもない、記録も残らない、だからこそやったもん勝ちの世界だったことだろう。

そしていたるところで戦が発生し、同時に耐え難い理不尽や悲劇的な事象が数え切れないほど生じたハズである。そういうところは光を当てては直視しない方がいい人類の影の部分だとおもう。

 

釣りをしているシーンはどこだろう?
たぶん間違っているだろうがなんとなく京王線の聖蹟桜ヶ丘っぽさを感じた……どうだろう?

 

 

5分くらい、猫娘と鬼太郎が池の畔で足をつけて遊んでいるのシーンもなかなか良かった。
リラックスして仲良くしているシーンは意外と貴重な気がする。

 

 

爆発物を妖怪マンションに送りつけ、鬼太郎一行を爆殺する……現代的なテロリストのやり口で、なるほど、さすが古代にゲリラ戦を展開したであろう女戦士らしい攻撃手段だと思った。

 

なんだか、骨女とほかの骨兵士が、4トントラックを運転しててちょっと面白かった。どこで免許とったのだろう(笑

 

大首様の絵のタッチは、確実に水木しげる感が強いと思った。
あとはたんたん坊とやや似ている。

「自分勝手な理屈はよすんだ。それじゃ、お前たちの国を滅ぼした奴らと同じ理屈じゃないか」

と鬼太郎は完全な正論を説く。

綺麗な論破を見てしまった気がする(笑

その一言で、大首様が目覚める。

 

 

今回は一応、ねずみ男回でもあったと思う。

最初は淡い恋の回かと思ったが、蓋を開けてみれば、骨女にとって、ねずみ男は単なる駒。しなを作って誘惑して利用しただけ。

彼女の本命は大首様だったというわけだった。女特有の強みもしっかり利用して目的へ邁進する、さすが女戦士ところか(笑

まぁ、そういう歪な精神構造になったのも、自らの国を他国に滅ぼされたからと考えると、やはり切ないと思った。

 

 

#83話 ゲタ合戦! 妖怪逆柱

 

オススメ度 ★★☆

 

なんと!リモコン下駄が主人公とも言える不思議な回。

UnsplashJen Driesが撮影した写真

 

ただの下駄にもかかわらず、封印を解かれると矢のように逆柱の結界に飛び込み、ニセ下駄を(文字通り)一蹴。

鬼太郎たちのピンチを華麗に救う。ただの下駄なのに……なかなかかっこいい姿に見えた。

……そういえば、どこぞの草履は大事にされないという理由で不良妖怪になっていたことがあった……。(第43話反乱! 妖怪化けぞうり)

履き物という同じカテゴリの存在であるなら、あの草履の妖怪は鬼太郎の下駄の爪の垢を煎じて飲むべきか(笑

 

 

 

それにしても人間に適切に扱ってもらえず、ぬらりひょんにもだまされた逆柱。最期は身を焼かれ、恨みに燃える心のまま悲劇的な結末を迎えてしまう。考えてみれば、哀れだと思う。なんだか憎みきれない。

 

バトルの最後、暴れないでくれといった後、
ふるさとの森が目に浮かぶ、美しいふるさとの森が~」といいながら燃えていく逆柱の姿がなんとも切ない。

目玉のおやじのいうとおり、ぬらりひょんに会わなければこんなに怒りに燃え、果てることもなかっただろう。
そして、いつもの二胡?のもの悲しさMAXのBGMが挿入される。

このBGM、シティハンターでいうところのゲットワイルドのよう。

 

リモコン下駄というただの装備品が主人公になる回で、とても不思議な回だとおもった。
こういうことができるのも、父祖伝来、思いの詰まったアイテムだからか。
それにしてもただの装備品が大活躍するのだから鬼太郎アニメはすごい。

 

#84話 怪奇! 人食い肖像画

 

オススメ度 ★★★

 

ほぼほぼスタンド使いの回といえるか(笑

しかしかなり面白い回だった。文字通り、鬼太郎VSスタンド使い。

こういう構図は、実はたまにある。人間の能力者的な存在との戦いだ。……たしか言霊使いだかでも人間と戦うことになっていた。そう考えると、この回だけがイレギュラーではない。しかし珍しい回であるのは違いないと思う。

 

 

今回の敵はゾンビのような顔の絵描きの男。最初は吸血鬼か何かの妖怪かと疑ったのだが、なんと人間だった。

 

洋館の話だと吸血鬼や竹の妖怪など怖い話が多い印象だが、どうだろう。

UnsplashZaneta Kuncaraが撮影した写真

 

砂かけばばあ登場。貴重な砂かけババアのお化粧シーン。
さらにサイケデリックな髪型で出てくる子泣きじじいも貴重。

 

面倒ごとを呼び込むねずみ男の尻拭いで、鬼太郎が動く。いつもの安定パターン。

 

モデルをやる鬼太郎は金縛り攻撃をもろに食らう。
完全に身動きがとれず苦しむ鬼太郎の鬼気迫る表情シーンはおすすめシーンかもしれない。

ヤンデレ絵描きはただの人間にすぎない。
にもかかわらず、鬼太郎を追い詰める実力。

ふと思い出すのは、絵を描いているときに相手の自由を奪う攻撃を放つ……というと、ジョジョの岸部露伴のスタンド『ヘブンズドア』でもあったかな、と思い出す。

ただ、岸部露伴のような気骨は、今回の敵にはない。あくまでヤンデレ絵描き。

ヤンデレ絵描きの性根は、岸部露伴というより、吉良吉影に近いだろうか?
岸部露伴と吉良吉影を足して二で割った感じかな、と思った。

今回のヤンデレ絵描き、スタンド攻撃も強いし、キャラも立っていてじつは、好印象である。
敵キャラとしても悪くないと思う。

 

 

途中、捕らえられた鬼太郎たちを影が襲う。

間違えていたら申し訳ないが、鬼太郎に迫る彼らがあげるうなり声……もしかして「う~ら~~む~」と言ってはいないだろうか?
もしそうならこういう細かいところも作り込まれているのだなぁ、と思った。

 

 

目玉のおやじいわく、アレは妖怪ではなく、絵描き本人の怨念であるらしい。
やはりスタンドだ(笑

 

 

目玉のおやじの解説が良かった。
目玉のおやじは、こちらが引くほど相手の事情をくんだり、たとえ悪人でもその立場に立つなどして、理解を示し、根本的な解決を目指す姿勢に徹する。

ただ今回の件はどう考えても、ヤンデレ絵描きの独りよがりの暴走、暴発である。

しかし、それを頭ごなしに叱り、叩き潰すのではなく、どうすれば根本的解決になるのかを考え、行動しようとする。

時間、能力、損失、あらゆるリソースが有限である現実ではなかなか無理な場合も多い。
しかしそれでも向かう姿勢はよいと思う。

亀の甲より年の功、さすが目玉のおやっさん。

 

さらに猫娘が聖母化する。年甲斐もなく、泣き叫ぶ哀れな絵描き姿を見て、母性が目覚めたのだろうか?

逆恨みして、怨念まみれの絵描きを倒すのではなく、哀れに思い、母親が歌っていたであろう子守歌を歌う猫娘。

第4期鬼太郎、屈指の猫娘の見せ場のように思う。

 

 

霊毛チャンチャンコでとどめ。霊毛チャンチャンコで、圧縮亜空間送り。霊毛チャンチャンコは怨念も浄化する、超万能である。

「いや、すべては得体の知れない化け物のせいじゃったんじゃ」(中略)「母親の分まで生きていかないといかんぞ」

今回の一連の騒動はヤンデレ絵描きのもつゆがんだ性根が生み出した怨念が暴走したもので、それ以上でも以下でもない。

母親の死という本人にとってこの上ない悲劇があったにせよ、それでも大部分において本人に責任がある、……ハッキリ言うが、本人が悪い。

UnsplashSasha Freemindが撮影した写真

にもかかわらず、そんなどうしようもない人間にも、温かい言葉をかけ、お話をまとめる目玉のおやじさん……。

おやじさんの慈悲の深さたるや、マリアナ海溝も真っ青やで~(笑

人間にはけっこう甘いような印象を受ける、目玉のおやっさんは。

結局、なんとか人間的成長を得て、いくらかまともになれた様子の絵描きさん、良かったですね。

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