
・※注意点
本記事にはネタバレが含まれています。
ネタバレを嫌う方、まだ未視聴の方などブラウザバックをお願いします。
#はじめに

出典: https://lineup.toei-anim.co.jp/ja/tv/kitaro_4th/story/
ゲゲゲの鬼太郎4期は私が小学生のときに見て以来、ずっと頭の奥に残り続けていた、いわゆる『忘れられない』アニメです。
そしてこのたび、1話も漏らさず、完全に視聴。
……いやはや、30年ほどの年月が流れましたが、なんとか満了です(笑
すべてを見終え、改めて思うのですが、抜群にすばらしいアニメでした。記憶の中にあった『素敵なアニメである』という印象は間違っていませんでした。
そういうわけで、各話で簡単な感想を記しつつの感想記事を書こうと思います。
♯♯☆の評価について
本作は全114話、道のりは正直かなり長いです。

UnsplashのJenevy Vergaraが撮影した写真
見ようと思っても、いろいろと忙しい現代社会では難しい側面もあるかもしれません、なので各話、オススメ度をつけました。
あくまで個人的主観なのでそこは注意点ですが、★3つのものはかなりオススメなので是非見ていただきたいと思います。
#1話 妖怪! 見上げ入道
オススメ度 ★★☆
鬼太郎4期、中身は全114話で、なかなかにボリューミー。
その第一話というのは、当然ながら記念すべき【大いなる一歩】です。
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茶碗(目玉のおやじの)に湯をそそぐとき。その湯の描写、作画力、ともかくきれいだなと思いました。
また今作は、セル画によるアニメらしい。
その色彩がよく現れている感じを受けました。
うろ覚えですが、この作品の中盤あたりからデジタル画の技術が入ったはずです。
つまり、この作品はデジタルとセル画のちょうど過渡期にあった作品。なので、『時代の移り変わりを見る』という点でも貴重な作品かもしれないなぁ、と思います。
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宅地開発か何かでほこらを破壊、くそデカ入道さんが登場というお話が今回。
引き金は人間の姿勢。歴史軽視、強欲な人間の問題性を描けていると思いました。
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アニメ内で描かれるのはたぶん90年代くらいと思われます。
そしてこの時代あたりから、日本のみならず世界的にも、無軌道な経済成長だけでなく、自然保護などにも本格的に取り組むべきだという風潮は強まっていたはず。
なので、アニメ作品のテイストにも、そういう時代の影響はあったのではないかと推測します。
ほかに目を向けると、管理が行き届かず荒れ始める里山などが現れ始め、田舎の過疎化や疲弊が露出し始めた時期でもあったはずでしょう。
そういう田舎の衰退や風景の変容と、自然の影響も強い妖怪という不可思議な存在は、物語の要素として、相性が良いかもな、と思えました。
そもそも妖怪モノの魅力の射程は、かなり広いと個人的には思います。
単純な自然保護や田舎賛美も可能ですが、さらに深い、人間の繊細な部分に踏み込めたり、観客をアッと言わすようなエンタメ力もあり、なかなか懐の広い魅力が妖怪にはあるでしょう。
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事件解決後にまとめに入るとき、今回でいえば、19分くらい流れる二胡?のサウンド……本当によかったです。
このアニメのサントラは絶対に買いだと思います。
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初回らしく、鬼太郎とは何であるのか?そういう登場の仕掛けがスムーズだと感じました。
妖怪ポストに手紙を入れて鬼太郎を呼ぶというシステムの説明回ともいえるでしょうか。
#2話 妖怪目目連の涙!
オススメ度 ★☆☆
月も、そして梢で頑張っている葉も、あやしい霧の底でぬっと現れる鬼太郎ハウスにも、すべてセル画特有の『潤み』のようなものは感じました。
しっとりとした『潤み』、そういう質感は個人的に魅力的に見えました。

UnsplashのRichard de Ruijterが撮影した写真
この魅力は強くて、デジタル絵より惹き付けられることが多い気はする……のだがやはり、手間なのでしょう。
デジタルになるのもしょうがない……というか、令和の時代は、セルだ、デジタルがといったことを超えて、AIが登場し始めています。そんな令和の世界でここらへんをぺちゃくちゃ言っても意味は無いのかもしれない。
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子供が妖怪ポスト発言をするのですが、初期はこういうパターンが多いです。
子どもたちの悩みをうけて、鬼太郎が依頼を受けて動く……のような。
ちなみに最後まで視聴したことがあるのでネタバレでいうが、後半になると、こういう構造で話が進むことはかなり少なくなります。
子どもたちの悩みに寄り添う、妖怪事件の解決屋としての鬼太郎で話を動かさなくても、単純に鬼太郎本体のヒーロー性だけでも十分お話として成立するからだろうか?
あるいは、トラブルメーカーねずみ男の存在感の増大、各種の印象的な妖怪の登場などがあったというのもあるでしょう
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(依頼人女の子の)親父さんのお金儲け主義、さらに大気汚染問題も絡める、けっこうな社会派を感じる。
昔は光化学スモックがどうの、多摩川や荒川の水質がどうのと環境問題が深刻だったらしいという話を思い出します。
ちなみにその社会派要素も、冒険や話のギミックとしてうまく組み込んでいるので説教臭さや押しつけがましさがなく、そういう意味でこのアニメは教育的に良いと思います。
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14分あたり、バトルシーンが盛り上がり始めるときに、流れるBGMかっこいい。
何度も言うが、このサントラ、間違いなく買いだろうと思います。
このアニメのもつ魅力を、BGMがいい仕事をすることで何倍にもしていると思います。
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子どもの話を聞いて、改心するオヤジ。ぎりぎり悪い奴ではなかった。
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もくもくれんという存在も終わってみれば、なんとなくかわいいような気もします。
#3話 ギターの戦慄! 夜叉
オススメ度 ★★★
たいへんに怖い妖怪の回。

UnsplashのOmar:. Lopez-Rinconが撮影した写真
正直、オッサンになった今でもうっすら覚えているほど。
おどろおどろしいという印象がぴったりな妖怪。
小さな子どもにみせたら、夜に一人でトイレに行けなくなる子も出るのでは(笑、と思えるほど。
冒頭の夜叉の登場シーンも良いです。路地裏、墓石のようなモノが積み重なり、その頂上で足を組んでいる夜叉……見せ方もかなりいい。
とにかく夜叉が怖い回。
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目玉のおやじが風呂につかり、言う。

Image by Michelle Pitzel from Pixabay
「ふーむぅう……いやぁ極楽極楽、これぞ、まさしく『命の洗濯』じゃな」
と。
ふと思ったのですが、この風呂に対して使用する命の洗濯というワード、どこかで聞いたことがあるな、と思い返すと……確かエヴァのミサトさんのセリフでしたか。
そこでエヴァはいつ放映したのだろうと思い調べると、……なんとエヴァの方が微妙に古いらしい。
……嘘だろ……。
エヴァの放映が95年の10月あたりから、
鬼太郎4期第3話が96年1月あたりから
なので、やはりエヴァの方が若干古いのだ……。
つまりおやじの発言はミサトさんのセリフの影響下にあった可能性もあります。
それにしても古いアニメと思っていた鬼太郎アニメ、しかし、その目玉のおやじの発言より、ミサトさんのセリフの方が古いのです。
……いやはや、エヴァってそんなに古かったのかと、30代のオッサンはひそかに衝撃を受けた(笑
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夜叉の本体は髪の毛でした。
ウネウネしている描写もひどく恐ろしい。
さらに、あのおどろおどろしい人型の姿は、夜叉が操る人形だったと判明します。
そこでおもったのが、『人形』という部分です。
私の推測ですが、子ども向けアニメゆえ人形と設定しただけで、本来は魂を食った人間……つまり死体を操っていたのではないか、と考えました。
夜叉の持つ危険性、恐ろしさを考えると、むしろそういうえげつない手段こそ似合う気がしました。
それにしても4期鬼太郎には、『毛』が本体、あるいは妖力の中心となる妖怪が多いなと感じますね。
この後出てくる鬼髪やらインド妖怪のラクシャナも……たしか髪にまつわる妖怪だったはずです。
また髪の毛とは少々異なりますが、ジャイアントという西洋の妖怪は、風にたなびくほど長く伸びたヒゲこそが妖力の源だったという話もあります。
いうまでもなく、鬼太郎も髪の毛を武器にしています。
妖怪世界では毛というモノは大切なモノなのかもしれないな、と思いました。
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とにもかくにも、妖怪の怖さ、おどろおどろしさ、よく詰まっている並々ならぬ魅力を持つ抜群の回。
人間に寄り添う鬼太郎の姿や妖怪の優しい側面だけを見ていると、どうも偏るところがあると思いますが、今回はリバランス(笑 ということで、しっかりと妖怪の怖さやおどろおどろしさを教えられました。
鬼太郎コンテンツは妖怪の怖さ、それらがスパイスになり、物語が中だるみしづらくなる効果もあると思います。
改めて妖怪モノは奥が深いテーマだと思いました。
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ただ、重箱の隅をつつくと、のちに出てくる吸血鬼やラクシャナなどとの差別化が薄い気はしました。
特に妖怪自体の性質、ギターをもっている演出など吸血鬼エリートとのかぶり部分は多いです。
もう少しうまく差別化できれば夜叉の独自性を保持でき、怖さそのままで、夜叉がより印象的な敵キャラになったかな、と個人的に思いました。
ともかく、ぜひ視聴してほしい回です。
