パーフェクトブルー 感想 前編  ※ネタバレ含む

UnsplashRyo Yoshitakeが撮影した写真

目次

#注意書き

本記事はネタバレが含まれています。

ネタバレを嫌う方、未視聴の方などはブラウザバックをお願いします。

 

 

 

 

 

 

#はじめに

 

有名な作品であるパーフェクトブルー。

引用元https://animestore.docomo.ne.jp

こちらの監督作品と初めて出会ったのは、たしかパプリカでした。

そこで魅力を感じ、さらに千年女優をみて……と同監督の作品に親しむようになっていました。

しかし初期作品のパーフェクトブルーは視聴しそびれていました。

 

そういう状況の中、先日、dアニメストアラインナップを物色してるときに、並んでいる本作を発見、視聴したわけです。

 

視聴記念として感想も残しておこうと思います。

 

 

 

で、まず軽く語っておくと……

「やはり名作と言われるだけはあるなぁ……」

 

と感じました、面白かったです。

 

ただ、作品の雰囲気はかなり重めです。少なくとも、爽快なエンタメを期待している方に強くおすすめできる作品ではありません。

 

「じゃあ観る必要がないのか」というと、決してそんなことはありません。

私自身、普段はエンタメ寄りの作品が好きで、自分の好みの傾向にもそれが合っています。しかし、本作はそうした私の好みを越えて、とても惹き付けられました。

本作にはそうなってしまう並々でない魅力があるからだとおもいます、ゆえに少しでも興味を持たれた方は、ぜひ一度観てみることをおすすめします。

 

 

 

 

#最初に結論

いつもどおり、どんな人にこのアニメ映画がオススメなのかと言えば、以下のような方々です。

 

##オススメな人

 

・精神の暗部、そしてそこにあるラビリンスに足を踏み入れて翻弄されるのを楽しめる人

UnsplashElti Meshauが撮影した写真のElti Meshauが撮影したイラスト素材

・人間心理の描写が緻密なので、そういう物語を好まれる方

・リアル寄りのキャラクターデザインが好きな人

・一般的なアクション系、日常系、恋愛系といった『ザ アニメ』といったものを好まない方

・今敏監督作品が好きな方

 

 

##オススメではない人

 

・今敏監督作品が嫌いな方

・衝撃的シーンが苦手な方。レ○プシーン(劇中劇の話だが)、裸体描写などがある。しかも作風とあいまって強いリアリティを伴って描かれている。

R15作品らしい、といえばそうで、そういうところが気になる方はオススメできません

・虚構と現実、自己と他者の境界が曖昧になる表現や、人間心理の暗部を扱う作品を好まない方

・アニメらしいキャラデザではないので、そこが気になる方

・一般的なバトルアニメ、恋愛アニメ、日常アニメなどが好き。気軽なエンタメ作品以外、見たくない、という方

 

ざっくりこんな感じです。

 

 

 

 

#感想1 重さと影と面白さ

 

やはりこの作品は重い。

Image by Tomegos from Pixabay

人間の重苦しい影の部分を題材にしているからだとおもいます

しかし、そうした難易度の高い題材を1本の映画として見事に仕立て上げているのは、個人的に物凄いことだと感じました。

 

派手なバトルシーンがない内容だと、一見、退屈してしまいそうに思えるからです。

ですが、本作には派手なシーンがなくても、それを補って余りある魅力があります。

精神の暗部というラビリンスに潜む「禍々しいダイナミズム」のようなものを作品へ十二分に落とし込み、それをエンタメとして機能させているのです。

 

ここをどう考えるかは人それぞれだとは思います。

個人的に、こういった人間の暗部のラビリンスに誘い込まれる演出自体は、決して好きではありません。

……好きではないのですが、この監督の作品には不思議と惹き付けられてしまいます。これこそが、監督の実力ゆえ、ということなのでしょう。

 

 

そういえば、本作以降の作品でも、今回のような傾向がよく見られるようになります。

『千年女優』しかり、『パプリカ』しかり……この手法をモノにしたというか、これが監督の『型』になったのかもしれない、と個人的に思いました。

 

 

 

 

 

#感想2 わたしの分限

この物語にふれて個人的に考えたこととして、『自分という存在』がいったい何によって形作られるか、という所だった。

UnsplashIsabel Morenoが撮影した写真のIsabel Morenoが撮影したイラスト素材

 

自分が考える自分はもちろんだが、それだけでなくファンや社会が持つ本人へのイメージ、偶像というものすらも、実質的に自分の存在(の一部分)であると思う

 

だから自分を形作るものとは、外部からのイメージと、自分自身の欲求や願望から産み出されるものが複雑に入り混じったものなのだろうと思う。

 

つまり厳密には外部の人間も、社会も、本人も、一体どこからどこまでが偶像で、どこからどこまでが本人自身なのか曖昧なままな過ごしている現実が多かれ少なかれある。

普段の生活でそういうことは問題にならないことが多いが、今作はそこを曖昧にせずに踏み込んでいると思う。

そういう哲学的な側面を、エンタメ化、作品化したような印象をこの作品から受けた。

凄い手腕だと思う

 

#感想3 ダブルクリップとダブルクリック

 

日高ルミが霧越未麻の部屋でパソコン講習をする時のシーンなのだが、未麻が『ダブルクリック』 を 「ダブルクリップ?」

と言い間違えていた。

 

90年代の空気を感じる、かわいい間違いだと思った(笑

90年代を感じる……というのは、当時はインターネットもまだまだ浸透していなかったと思う。
ウインドウズ95というOSがでて一般人への浸透を加速させた。しかしそうはいってもまだ2年ほどしかたっていないハズ。

実際の一般人に広く浸透しているようには思えない。

仕事で使う、あるいは一部のガジェットマニアがサイトをつくっていたり、そういう時代だったんだろうと推測する……

ただし『推測する』というのは私がまだかなり小さい頃の話だったので、そこまで実は明快にはわからないから。

 

 

それにしてもあと30年くらいすればもしかしたら、パソコンはすべて何らかの別のデバイスに成り代わり、今のキーボードマウスなどの操作はなくなるかもしれない。

そうなるなら、さらに数十年後の若い人は今のパソコンに触れたとき「ダブルクリップ?」などととぼけた返答をかます時代に先祖返りするのかもしれないとも思った(笑

 

 

後編へ続く……

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